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同じ空を見た事が無い。
色、雲の位置。たまに雨だって降る。
毎日同じだ、なんて言う人もいるけれど、私にはそうは見えない。
幾万通りの組み合わせを重ね、昨日とは違う姿でそこにいる。
私と違って。

仕事が無くとも街を走るのはセルティの日課だ。
何も考えずに街を駆け抜け、たまに立ち止まってぼんやりとする。
時間に縛られず、好きなだけ街の中にいる事が出来る。
これを最高の贅沢と言わずに、なんと言うのだろうか。

穏やかな気持ちでバイクのシートに横座りになり、街で行きかう人々を見つめる。
毎日毎日違う人が、毎日毎日違う服を着て、毎日毎日違う日々を過ごす。
移り変わりゆく時は何にも止める事は出来ず、ただ世界は刻々と日々を刻む。

そして

―世界は

針が

―私を

胸を突き

―置き去りにして

一気に抉った。
 

胸が痛んだ気がした。
動く心臓も無いのに痛むのか。
はっ、と自嘲するが、それでも痛みは治まらない。

むしろ傷口を押し広げるように、異物が胸の中へ進入しようとする。

―取り残された私はどうなるの?―

ぐりぐりと抉る針。

―変わらない私はどうなるの?―

ぎちぎちと縛られる感情。

―変化の無い私は、忘れ去られてしまうの?―

ぐりぐりと傷口を抉る針の名は、不安。
ぎちぎちと胸を苦しめる痛みの名は、寂しさ。

瑠璃色の空が時を刻む。
縋り付く統べも無い私はただ置いていかれて――

「セルティ」

名前を呼ばれてはじかれたように振り返れば、不思議そうな瞳でこちらを見つめるその姿があった。

気づけば痛みは止んでいて、意地悪く変化の無い私を見つめていている瑠璃色の空がある。
私はそんな空を見て、ある事実に気づく。

どうして気づけなかったのかと己を悔やむ。
こんなにも素敵な事実が、目の前にあるのに。

―私にだって、変化はあるさ。

そして私に近づく人間へと、首の無い姿で微笑みかける。

―ほら、あんなに寂しかったけれど、今はもう寂しくない。
―これはちゃんとした『変化』だぞ。


―――――――――――――――――――――――――

もう胸は痛まない。
いずれ取り残されるからこそ、彼女は優しく強くなれる。
 

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