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メリークリスマス。
金欠でケーキを自作したら、クリームが足りず外側がちょっと寂しい事になってしまいました。
クリームの割合を間違えた。

クリスマスプレゼントにブーツinお菓子セットを頂きました。
小さいときは良く貰っていましたが、この歳になって貰うとは思っていませんでした。
懐かしくて嬉しかったです。
そしてシャンメリーで呑んだくれるみーさん。
アルコール分一パーセント未満で酔えるとは流石です。

クリスマスですが地味に冬系のお話を一つ。

デュラでクリスマスパーティーをしたらマンションが全壊しそうな気がします。
成人未成年全く関係無く呑んだくれて皆酔いどれ状態。
一人酒を(物理的に)飲めずまともなセルティが苦労しそう。
 


 白い雪の中に溶け込むような真っ白な背中。
 後姿は、どことなく雪兎を彷彿とさせた。
 

 その日は珍しく池袋に大雪が降った。
 街の全てが白に染め上げられた窓の外、新羅のマンション―――の、ベランダ。
 窓を締め切り、雪に埋もれるようにして白い背中が小刻みに動いている。


 セルティは暖かい室内のソファに座り、ぼんやりとその姿を見つめていた。

 外は見るからに風が吹き荒び、積もった雪の上に粉雪が追加されつつある。
 明らかに寒いだろうに、新羅は何時もの白衣姿で何かの作業に没頭していた。 
 ふと時計を見ると、新羅が嬉しそうにベランダに飛び出してから三十分以上経過している。
 子供のようだと思いながら、セルティは腰を上げベランダへの扉を引くと、半端ではない寒波が部屋の中へと飛び込む。

 セルティが背後に立っても、全く気づいていないのか。新羅は何も反応をしない

 『新羅』
 その背中を軽く叩き、PDAを差し出す。
 『そろそろ部屋に入れ。風邪引くぞ』
 「んー、ちょっとまってあとこれだけーもうちょっとなのー」

 どうやらかなり集中しているらしい……雪で何をしているのだろうか?
 手元を背後から覗き込もうとしたが、さりげなく背中で隠された。
 ちょっと悔しい思いで部屋に戻るが、新羅は黙々と何かに没頭したままこちらを見ようともしない。


 コーヒーでも入れていれてやろうかと戸棚に手を伸ばすと、奥の方に見慣れぬ袋があるのに気づいた。
 手を伸ばし、掴む。

 ――ココア?

 いつの間に買ったのだろうか。
 未開封のココアの粉末。製造年月日がまだ新しいので、最近買ったばかりだろう。
 ――ーヒーよりココアの方が体が温まるかもしれない。
 冷蔵庫の中を思い返す。牛乳のストックはあっただろうか?


 

 ふわっと香る優しい匂い。
 甘い匂いと称するのが一番なのだろうが、私には味覚が無いので感覚がわからない。

 銀のスプーンを回す。
 くるくるとくるくると。まるで、踊っているかのように。

 「寒い寒い寒いぃぃ!」

 無粋な背後からの叫び声。
 その直後に背中を覆う冷たい感覚。
 私は反射的に長時間外にいてすっかり冷たくなった新羅の腹へと肘を打ち込んだ。

 悲鳴を上げながら床へと転がる新羅。その顔は真っ赤に染まり、目には薄く涙が浮かんでいた。
 前者は寒さのためだろうが、涙は痛みのためだろうか?
 予想はついたが、自業自得なので痛みは無視だ。

 ふるふると寒さに打ち震える、捨てられた子犬のような反応をするいい年した大人の男。それに愛用のマグカップを差し出すと、これまた空腹時に餌を差し出された子犬のように嬉しそうにマグカップに飛びついた。

 その様子があまりにも面白かったので、お前今24だろと言う言葉は飲み込んでおく。
 「あ、ココア?」
 『寝転がったまま呑むなよ』

 座りなおし、新羅はココアをすすった。
 口をマグカップの淵から離し、安心したような息を吐く。
 「ありがとうセルティ」
 『ん』

 ソファに座り、窓外を見つめていると隣に新羅が腰掛けた。
 雪が降り積もり、白い街はさらに白く。
 見慣れた景色でも、雪が降るだけでまるで別世界のように思えてくる。 

 白。
 私の影とは正反対の色。
 隣の新羅の色。
 真っ白な白衣の色。

 「そういえば、ココアよく見つけられたね」
 『そうだ。棚の中にココアがあったんだけど、お前いつの間に買ったんだ?』
 「ん?臨也がココアプレイでもしてみたらって前にくれた」

 ココアプレイって何だココアプレイってと思いながら臨也を殴る事を決める。

 お前も臨也から物をもらうな危険だろうがと言いたかったが……とりあえず、ココアに変な物が混入されていない事を願おう。特に不審な穴や開封の痕跡はなかったので大丈夫だと信じたいが。

 外は雪。
 その中に、寄り添う二つの雪だるま。
 よくよく見れば、片方の雪だるまの頭には、二等辺三角形がちょこんと付いている。
 それが私のヘルメットを模しているのだと理解すると同時に、新羅がマグカップを床に置き、肩に頭を乗せてきた。

 「あったかいね」

 穏やかな冬の午後。
 寒い外に冷たい雪。
 けれども暖かいこの瞬間が、
 
 『そうだな』




 もう少しだけ、続きますように。



―――――――――――――――――――――――――


 『コクが美味しいミルクココア』があまりにもおいしかったので書いた一品。
 ココアプレイの内容は臨也とセルティのみぞ知る、と言う事で。
 

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